「これって指導の範囲? それともパワハラ?」 「職場で嫌な思いをしているけど、誰に相談すればいいんだろう…」
働く皆さんにとって、職場での人間関係は仕事の満足度を大きく左右する要素の一つです。近年、社会問題となっているパワーハラスメント(パワハラ)は、働く人の心身を深く傷つけ、健全な職場環境を損なう行為です。
今回は、パワハラの定義や具体的な例、そしてもしパワハラに遭遇してしまった場合の対策について解説します。
パワハラとは?3つの要素で理解しよう
パワハラ(パワーハラスメント)は、職場で起こるいじめや嫌がらせの一種で、一般的に以下の3つの要素を満たすものを指します。
- 優越的な関係を背景とした言動: 職務上の地位や人間関係など、相手にとって抵抗や拒否が困難な優位な立場を利用した言動であること。
- 業務の適正な範囲を超えた言動: 社会通念に照らして、明らかに業務上必要のない言動、またはその態様が相当でない言動であること。
- 労働者の就業環境が害される言動: その言動によって、労働者が精神的・身体的な苦痛を感じ、能力の発揮が阻害されるなど、就業する上で看過できない程度の支障が生じること。
どんな言動がパワハラにあたるの?具体的な例
パワハラは様々な形で行われます。以下に代表的な例を挙げます。
- 身体的な攻撃: 殴る、蹴る、物を投げつけるなど。
- 精神的な攻撃: 大声で叱責する、人格を否定するような発言、侮辱的な言葉を浴びせる、仲間外れにするなど。
- 過大な要求: 明らかに遂行不可能な業務を強要する、嫌がらせ目的で仕事を与えるなど。
- 過小な要求: 能力に見合わない簡単な仕事しか与えない、仕事を与えないなど。
- 個の侵害: 私的なことに過度に立ち入る、プライベートな情報を暴露するなど。
これらはあくまで一例であり、状況によってはパワハラと判断される可能性があります。
指導との違いは?線引きを知っておこう
業務上の指導は、部下の成長を促し、組織目標を達成するために必要なものです。しかし、指導が上記のパワハラの3要素を満たす場合、パワハラとみなされます。
適正な指導は、目的が明確で、具体的な改善点を指摘し、相手の人格を尊重した方法で行われるべきです。感情的な叱責や人格否定は、指導ではなくパワハラにあたります。
パワハラに遭遇したら?取るべき行動
もし、あなたが職場でパワハラを受けていると感じたら、一人で悩まずに以下の行動を取りましょう。
- 記録を残す: いつ、誰から、どのような言動を受けたのか、具体的な内容を記録しておきましょう。日時、場所、目撃者なども記録しておくと、後々証拠となります。
- 社内の相談窓口に相談する: 多くの企業には、ハラスメントに関する相談窓口が設置されています。まずはそちらに相談してみましょう。
- 労働組合に相談する(加入している場合): 労働組合は、労働者の権利を守るための組織です。相談に乗ってくれる場合があります。
- 労働基準監督署に相談する: 会社が適切な対応をしてくれない場合や、深刻な被害を受けている場合は、労働基準監督署に相談することもできます。埼玉県内にも相談窓口があります。
- 弁護士に相談する: 法的なアドバイスやサポートが必要な場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。
職場をみんなで守るために
パワハラは、被害者だけでなく、職場の雰囲気全体を悪化させる行為です。もし、職場でパワハラを目撃したり、相談を受けた場合は、見て見ぬふりをせず、適切な対応を心がけましょう。
働くすべての人が、安心して気持ちよく働ける職場環境を築いていくために、パワハラのない社会を目指しましょう。
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